塗装は高度なノウハウを必要とします。
信頼度の高いメーカーを選定しないと大失敗します。
特に、安いからと言って、中国メーカーに安易に依頼することは避けるべきです。
メーカー選定は、プロの知見に任せたほうが安心です。
T 塗装工程の品質対策
1.施設(設備)
温度変化に対する対策
夏:スポットクーラー使用
冬:暖房機使用
コンタミ対策;建屋そのものの対策、塗装ブース持ち込み前に除塵、除電実施
2.塗装工程
塗装ブース;乾式塗装ブース:フィルタ装置を用いて塗料ミストを除去する方式
塗装ブースのコンタミ対策;塗装室内気圧を高く保ち、コンタミの侵入を防止
膜厚測定;サンプルプレートにて測定、記録(塗装ロットの初めと終わり)
3.検査
検査場の環境;調光、静電気防止、温湿度調整
標準光源装置;通常、お客様承認見本との目視照合実施(顧客指定照度にて)
不良率;95%(修正後目標)
U 塗装QC工程
1.素材品質
素材の受入から塗装するまでの、管理水準の適性維持が、塗装仕上がりやコストに
大きく影響するため、以下の点に注意すること。
@素材入荷時点でキズ、打痕、ウエルドがないかなどを、必ずチェックする。
Aバリ、打痕、擦り傷等は「軽度のものは塗装すれば消える又は見え難くなって
事実上外観不良にはならない」と勝手に推測し勝ちだが、現実はその逆で
「塗装をすると素材の欠点は目立ちやすくなる」ものであり、塗装する前に
素材そのもの又は加工により生じた欠陥を確認し、必要に応じて修正処理を
行う事。
B素材の製造会社と事前に話し合い問題が発生しないよう、品質レベルの整合を
図るとともに問題発生時は、共同で問題解決に当たること。
2.前処理工程
アルコール(IPA)で脱脂するときには、布などに含ませてから拭き取って使う。
水分が含まれず、水滴の跡が残らないためずに光沢を必要とする塗装面の脱脂に
使用する。
前処理を施した被塗物を出来るだけ速く塗装すること。そのままの状態では結露や
塵埃などの影響を受けやすく、原則として当日に前処理+塗装までを完成させる。
休み時間中の前処理設備、塗装設備中の一時停止も実績を確認してから、その設備
ごと又は被塗物素材ごとに判断する。
仕掛品置き場は、結露(又は化学的雰囲気)の可能性が短時間でもある場合、塵埃
などの影響を避ける目的でカバー掛けなどを行う事。
3.塗装工程
@塗装手順
詳細は塗装作業手順書による。
手吹き塗装は、小ロット多品種に対応また、創作塗装が可能。しかし、経験と
幅広い知識が必要となるため、一定期間の訓練と作業の認定を必要とする
A膜厚管理
膜厚計を常時使用しながら、そのデータを記録する。被塗物のどの部分がどれ
だけの膜厚を必要としているか、そのための塗装の諸条件、補正塗装の条件を
設定して、塗膜厚(過不足)塗膜外観(ゆず肌、ワキ、タレ等の度合い)に
不具合が出た時に改善する内容が明確になるデータを測定する。塗装不良の
対策は対策前後の変更点を明確にすることが重要。
B修正作業
ブツ、タレなどの塗装不良の修正は、2000番〜3000番のサンドペーパー掛け
と、バフ仕上げを行う。修正作業は、塗装後、塗料が十分硬化した後、実施
しなければならない。
4.検査工程
被塗物を塗装し焼付け乾燥等により塗膜がキュアーし終わり、被塗物が室温近く
まで戻って塗膜表面が硬化した状態になれば、手袋等で直接被塗物に素手で触ら
ないようにしながら、外観検査しやすい照明の中で見やすい方向に向きを変えて
検査を行う。
・合格品→正常品ラインに乗せて「通い箱」や「次工程コンベアに載替え」へ移す。
・不合格品→該当する欠陥部、ゴミ付着、タレ、スケ、ハジキ等を(見やすくかつ
簡単な擦りで取れない)テープで目印を付けて正常品のラインから外す。
準備1 塗膜外観検査場は単に明るくするだけでなく、見やすい明るさ、照明の
方向、色、眼と被塗物との距離等について現場で確認して決める。
準備2 素手で被塗物に触るのは汚れの原因となり特に表面温度が高いとその汚れ
の除去が困難になる。被塗物がほぼ常温に近づくまでの時間が必要であり
更に必ず取扱い用の手袋や治具を用意する。
準備3 ゴミ不良の限度、ゆず肌の度合い、色のバラツキ範囲、その他項目の良品
限度等は、個人差が出やすいために限度見本を作成して検査場に置き、
必要に応じ比較して見ること。
限度見本は客先の承認を得た後、保管管理すること。
V 塗装評価試験項目(詳細はお問い合わせください)
1.外観
2.色調
3.光沢
4.耐酸性
5.耐アルカリ性
6.耐アルコール性
7.耐摩耗性
8.耐光性
9.耐候成
10.耐湿性
11.付着性
12.鉛筆硬度